毎日のように続く医薬品の出荷調整や供給不足。代替薬の手配や疑義照会に追われて、本当に大変だよね。

そんな現場の苦労が報われる(?)とも言えるのが「特定薬剤管理指導加算3(ロ)」です。でも、

  • 「どのケースなら算定できるんだっけ?」
  • 「後発品のメーカー変更だけでも取れるの?」

と、算定要件が怪しくなりがちじゃないですか? この記事では、供給不足による薬の変更で算定できる「特定薬剤管理指導加算3(ロ)」について、現場で迷いやすい具体例や、返戻を防ぐためのレセプト・処方箋への記載方法を分かりやすく解説します!

特定薬剤管理指導加算3(ロ)の算定の基本

特定薬剤管理指導加算3(ロ)は、簡単に言うと「薬の供給不足が原因で、疑義照会をして別の薬に変更したとき」に算定できる加算です。

普段の服薬指導に加えて、変更になった理由や、新しいお薬の説明をしっかり行うことで評価される点数ですね。ただ、なんとなく変更しただけではNG。

明確に「供給不足による変更」という要件を満たす必要があります。

算定できる変更とできない変更の判断基準

現場で一番迷うのが、「この変更は算定対象になるのか?」という点ですよね。

大前提として、医師への疑義照会(または事前の包括合意に基づく変更)を経ていることが必須です。患者さんの希望による変更(「こっちのメーカーの方が飲みやすいから」等)は、この加算の対象にはならないので注意しましょう。

【現場あるある】後発品の「銘柄違い」は算定できる?

「先発品から後発品」「別成分の薬」への変更は分かりやすいですが、よくあるのが「同じ成分・規格の後発品だけど、メーカー(銘柄)が違う」というケース。

結論から言うと、供給不足による後発医薬品のメーカー(銘柄)違いへの変更も加算の対象になります!

具体例:アムロジピン錠の出荷調整の場合

たとえば、処方箋に「アムロジピン錠5mg『NP』」と記載されていたとします。 しかし、現在「NP」が出荷調整中で店舗に在庫がなく、近隣の薬局や卸からも手に入りづらい状況…。

そこで、在庫がある「アムロジピン錠5mg『ケミファ』」に変更して調剤する場合。 これも立派な「供給不足による変更」なので、特定薬剤管理指導加算3(ロ)の算定OKです。毎日当たり前のようにやっている代替品のやり繰りですが、こうしたメーカー変更もしっかり評価の対象になるので、漏らさず算定していきましょう。

返戻を防ぐ!レセプトと処方箋の記載ルール

算定要件を満たしていても、証拠が残っていなければ後から返戻されてしまう可能性があります。現場の薬剤師として、絶対に忘れてはいけないのが「記録を残すこと」です。

レセプト摘要欄への記載

レセプト(調剤報酬明細書)の摘要欄には、必ず「供給不足のため」という文言(レセ文)を残すようにしましょう。これが無いと、「なぜ変更したのか?」が支払基金側に伝わらず、要件を満たしていないと判断されてしまいます。

処方箋の備考欄への記載

レセプトだけでなく、処方箋の備考欄(または調剤録)にも、疑義照会を行った旨と、変更の理由が「供給不足のため」であることをしっかり記載して証拠を残してください。

「忙しいから後で書こう…」は記入漏れのもと!その場でサッと記載するクセをつけておくのが、自分の身を守る(そして薬局の利益を守る)コツです。

まとめ

  • 算定の基本:供給不足による疑義照会(または事前合意)の結果、薬が変更になった場合に算定可能。

  • 後発品のメーカー変更もOK:出荷調整により「アムロジピン『NP』」から「『ケミファ』」への変更など、同成分の後発品銘柄違いも算定対象になる。

  • 証拠を必ず残す:レセプト摘要欄に「供給不足のため」と記載し、処方箋備考欄にも変更理由の記録を忘れずに残すこと。


※本記事は薬剤師の実務参考用ノウハウです。最終的な判断は各施設のルールや最新の添付文書、厚生労働省・支払基金の最新の疑義解釈等に従ってください。

ABOUT ME
薬剤師のポン
薬局薬剤師13年目。 薬学部卒業後、大手チェーン薬局に就職。大病院の門前薬局の前で働き、あらゆる科の調剤を担当する。一通りの仕事がわかってきてから、「自分の地元だったらもっといい仕事ができる」と考え、自分の地元で働きたいと強く願うようになり、地元の調剤薬局に転職。現在は地域密着薬剤師として地元の中小薬局で勤務中。