薬剤師のポン
薬剤師のポン
こんにちは。ブロガーのポン(@ponnenmaru6)です。

私は現在、薬剤師歴13年目。 地元の薬局チェーンで、複数の店舗を統括する「エリアマネージャー」として働いています。

今回のテーマは、少しブラックというか、私の胃がキリキリするような「現場の本音」についてです。

私は採用担当ではありません。採用面接を行うのは、本部の社長や人事部長です。 彼らは「人柄もいいし、経験もある。即戦力だよ!」と太鼓判を押して、新しい薬剤師を私のエリアに配属してくれます。

しかし…… 実際に現場で一緒に働き始めると、「あれ? 話が違うぞ……」となるケースが後を絶ちません。

面接という「お見合い」は上手くこなせても、現場という「結婚生活」ではボロが出てしまう。 そして、その尻拭いをするのは、いつだって現場の管理薬剤師や、私のようなエリアマネージャーです。

今回は、エリアマネージャーの視点から見た「現場で評価されない(=将来的に年収も上がらないし、居場所もなくなる)薬剤師の共通点ワースト3」を、愛と自戒を込めて暴露します。

もしあなたが「一生懸命働いているのに評価されない」と感じているなら、無意識のうちにこの「ワースト3」に入ってしまっているかもしれません。


【ワースト3位】「それは私の仕事ですか?」線引き・お客様体質

第3位は、「権利主張が強すぎる・業務範囲を勝手に限定する人」です。

これは中途採用、特に大手チェーンから転職してきた中堅薬剤師に多く見られる傾向です。 もちろん、契約書にない不当な労働を強いられたら断るべきです。しかし、私が言いたいのはそういうレベルの話ではありません。

現場で起きるリアルな光景

例えば、店舗が混雑していて、受付事務さんが電話対応に追われている時。 患者さんが待合室に入ってきましたが、誰も対応できません。

評価される薬剤師は、スッとカウンターを出て「こんにちは、処方箋お預かりしますね」と事務のフォローに入ります。

評価されない薬剤師は、調剤室の中で「事務さん、患者さん来てるよー」と声をかけるだけ、あるいは見て見ぬふりをしてピッキングを続けます。

後者の言い分はこうです。

「受付は事務の仕事でしょ? 私は薬剤師としての業務(調剤・監査・投薬)に集中する契約だから」

エリアマネージャーの脳内(本音)

法的には正しいかもしれません。でも、チーム医療としては0点です。

中小規模の薬局では、全員が「なんでも屋」である必要があります。 「それは私の仕事じゃない」と線を引く人が一人いると、他のスタッフ(特に事務さんや若手薬剤師)に皺寄せがいきます。

結果、店舗の雰囲気が悪くなり、チーム全体のパフォーマンスが落ちる。 管理職として評価をつける時、こういうタイプの人には「協調性なし」「リーダー適性なし」という烙印を押さざるを得ません。

年収を上げたい、キャリアアップしたいと思うなら、「頼まれた仕事」+「α(プラスアルファ)」をこなす必要があります。 私自身、20代の頃は「雑用でも何でもやります!」という精神で泥臭く働き、その結果として5年目で管理薬剤師、12年目でエリアマネージャーというポジションを得ることができました。

https://ponmagazine.com/the-6-million-yen-annual-income-barrier-is-it-true-a-13-year-managing-pharmacist-reveals-the-reality-of-pay-slips-and-salary-increases/

※こちらの記事でも触れていますが、給与アップの裏には必ず「泥臭い貢献」の積み重ねがあります。「コスパ」ばかり考えていては、この壁は越えられません。


【ワースト2位】「前の会社ではこうでした」評論家・マウントおじさん/おばさん

第2位は、「変化を拒み、比較ばかりする人」です。

新しい職場に入れば、その会社独自のルールやシステム、人間関係があります。 しかし、これに適応しようとせず、何かにつけて「前の職場」と比較して批判する人がいます。

現場で起きるリアルな光景

新しい業務フローを導入しようとした時。

  • 「え、なんでそんな非効率なやり方するんですか?
  • 前にいた○○薬局では、もっと優れたシステムを使ってましたけど」
  • 「この在庫管理、意味あります? 時間の無駄だと思います」

意見をくれるのはありがたいです。業務改善は歓迎です。

しかし、彼らの言葉には「改善案」がなく、ただの「批判」で終わっていることがほとんどです。

エリアマネージャーの脳内(本音)

「じゃあ、前の会社に戻れば?」 喉まで出かかったこの言葉を飲み込むのに、私はいつも必死です。

彼らは「自分は経験豊富で、正しいことを言っている」と思っていますが、現場からすれば「郷に入っては郷に従わない、扱いにくい異分子」でしかありません。

特に、既存のスタッフ(パートさんや事務さん)のやり方を頭ごなしに否定するような言動が見られると、マネージャーとしては「チーム崩壊のリスク要因」として警戒レベルを最大に引き上げます。

今の職場を選んだのはあなた自身です。

不満があるなら、「文句」を言うのではなく、今のリソースでどう改善できるか「提案」をしてほしい。

それができないなら、黙って今のルールに従うか、自分に合う完璧な職場を探して転職するしかありません。

もしあなたが、今の職場のやり方にどうしても納得できず、ストレスで体調を崩しそうなら……それは単純に「ミスマッチ」かもしれません。

無理をして「評論家」になる前に、自分の適性を客観的に見直してみるのも一つの手です。

https://ponmagazine.com/we-have-created-a-pharmacist-career-change-diagnostic-chart-that-is-a-must-see-for-pharmacists/

 ※私が自作した診断ツールです。自分のタイプを知ることで、「文句ばかりの自分」から卒業できるかもしれません。


【ワースト1位】「報・連・相」ができない! 会話のキャッチボール不全

栄えある(?)ワースト1位は、スキル不足でも性格の不一致でもありません。

「コミュニケーションの基礎回路が繋がっていない人」です。

これは面接で最も見抜くのが難しく、かつ現場に入ってから最も深刻なダメージを与える問題です。

面接の短い時間では「人当たりの良い人」に見えても、業務というプレッシャーがかかった瞬間に「対話不能」になる人がいます。

現場で起きるリアルな光景

私が店舗巡回に行き、トラブルの報告を受ける場面を想像してください。

私:「昨日の患者さんのクレーム、どういう状況だったの?」

薬剤師A:「あ、それはですね、患者さんが10時頃にいらっしゃって、その時雨が降っていたんですけど、お薬手帳を忘れたとおっしゃって…で、在庫がない薬があったので卸に電話したんですけど担当者が捕まらなくて…」

私:「……で、結局、患者さんは何に対して怒ったの? 結論は?」

薬剤師A:「えっと、ですから、その後の対応が…」

エリアマネージャーの脳内(本音)

「怖い。この人に仕事を任せるのが怖い」 これが正直な感想です。

  • 要領を得ない報告: 緊急時に状況を把握するのに時間がかかりすぎる。
  • 事実と解釈の混同: 「患者さんが怒っていた」のか、「自分が怒っているように感じた」のか、区別がつかない。
  • 質問に答えない: 「YesかNoか」を聞いているのに、言い訳から入る。

薬剤師の仕事は「情報伝達」が命です。

医師への疑義照会、患者さんへの服薬指導、スタッフ間の申し送り。

全ての業務において、「正確に、簡潔に、相手が知りたいことを伝える」スキルが求められます。

これができない人は、どんなに薬の知識があっても、どんなに手技が速くても、現場では「仕事ができない人」と評価されます。

なぜなら、周りの人間がその人の発言内容を裏取り確認したり、通訳したりするコストが発生するからです。


【深掘り】人事と現場の「評価ギャップ」はなぜ起きる?

なぜ、こうした人が採用面接を通過してしまうのでしょうか。 それは、人事(面接官)が見ているポイントと、現場(私)が見ているポイントが違うからです。

人事の視点(採用時):
  • 第一印象が良いか(清潔感、笑顔)。
  • 経歴に傷がないか。
  • 「入社してくれそうか」
現場の視点(配属後):
  • 「使えるか」(利益を出せるか、問題を解決できるか)。
  • ストレスがかかった状態で、冷静な判断ができるか。
  • チームの士気を下げないか。

人事は「入社させること」がゴールですが、現場は「入社してから」がスタートです。

このギャップがある以上、あなたが「面接に受かった」からといって「仕事ができる」という証明にはなりません。

入社後に「こんなはずじゃなかった」と評価を下げられないためには、面接用のメッキを剥がし、「現場で通用する実務能力(特にコミュ力と解決力)」を磨くしかないのです。


【解決策】現場で「手放したくない!」と思われる人材になるには

ここまで辛辣なことを書きましたが、私は部下を切り捨てたいわけではありません。

むしろ、縁あって同じエリアで働くことになった仲間には、活躍してほしいと心から願っています。

エリアマネージャーの視点から、「この人は評価したい!」「給料を上げてでも引き止めたい!」と思う薬剤師の特徴を3つ挙げます。

  1. 「Bad News First」ができる ミスやトラブルこそ、隠さずに最速で報告してくれる人。これができる人は信頼できます。言い訳せず「申し訳ありません、○○のミスをしました。対応策として〜」と言える人は、将来の管理職候補です。

  2. 「1を聞いて10を知る」ではなく、「1を聞いて確実に1をやる」 天才である必要はありません。指示されたことを、期限通りに、正確にやり遂げる。この「凡事徹底」ができる人が、現場では最も重宝されます。

  3. 「会社の数字」に興味を持つ 「今月の技術料、目標まであと少しですね。在宅の報告書、今日中に仕上げます」 経営側の視点(数字)を理解し、そこに向けて動ける人。こういう発言が出ると、私は「おっ、こいつは視座が高いな」と一目置きます。


【エリアマネージャーの嘆き】「なんでこの人を採用したの?」現場で評価されない薬剤師の共通点ワースト3:まとめ

今回のワースト3を振り返ります。

  1. 会話のキャッチボール不全(報連相ができない)
  2. 評論家気取り(変化を拒む)
  3. 権利主張・お客様体質(線引きをする)

これらに共通しているのは、「自分本位」であるという点です。

「自分がどう話したいか」「自分がどう楽をするか」「自分がどう正しいか」。

しかし、給料とは「他者(会社・患者・同僚)への貢献」の対価です。 評価は、あなたが決めるのではなく、周りが決めるものです。

もしあなたが、今の職場で閉塞感を感じているなら、一度視点を「自分」から「相手(マネージャーや同僚)」に移してみてください。

「あのうるさい上司(私のような人間です笑)は、今なにに困っているんだろう?」

そう考えて、先回りして動くことができたなら……あなたの評価は劇的に変わり、それは必ず年収やキャリアといった形で自分に返ってきます。

現場からは以上です。

明日からの業務、少しだけ視点を変えて頑張っていきましょう!

ポンマガジンでは薬剤師、薬学生を応援します。

薬剤師、薬学生に夢を届けたい!!

ではでは♪

ABOUT ME
薬剤師のポン
薬局薬剤師13年目。 薬学部卒業後、大手チェーン薬局に就職。大病院の門前薬局の前で働き、あらゆる科の調剤を担当する。一通りの仕事がわかってきてから、「自分の地元だったらもっといい仕事ができる」と考え、自分の地元で働きたいと強く願うようになり、地元の調剤薬局に転職。現在は地域密着薬剤師として地元の中小薬局で勤務中。