この記事では、薬歴の書き方について詳しく語っていこうと思います。
新人薬剤師で、薬歴の書き方がなんとなくであまりわかってない方、薬歴は普段から書いてるけど、もう少し見直す必要があるが、何から直していいのかわからない人。
そんな方達に参考になればと思います。
読んでね♪
薬歴とは??
正式名称は、「薬剤服用歴」といいます。
適切な服薬指導には欠かせない記録で、患者情報を集積したものです。
近年、薬歴はSOAP式で書くことが主流になってます。
SOAP式とは
S:Subjective Data (主観的データ)
主観的な情報。患者さんのお話したこと。患者さんの自覚症状など。
O:Objective Data (客観的データ)
客観的な情報。病院やドクターからの情報、処方内容や検査値など。
A:Assessment (分析・評価)
薬剤師がそれに対する分析したことや、評価したこと。考えなど。
P:Plan (計画)
実際に服薬指導したこと。今後の方針。
と、患者情報とそれに対する指導内容を、この4つでまとめて記載する方法のことです。
またP情報は、
- Observation Plan(OP):観察計画
- Care Plan(CP):ケア計画
- Education Plan(EP) :教育計画
の3つに分けることができます。日常のP情報にあえて分類する必要はないですが、初期計画を立てるときに使うくらいでいいですね。
SOAP式薬歴を書くときに気をつける事。
- 簡潔に!わかりやすく。
- 誰が見てもわかるように!!
- 患者さんの様子がわかるように。
これは鉄則です。
せっかく薬歴を記載しても、他の人が見てわからないようでは、記載している意味がありません。
では、「見やすい薬歴を書けるようにする」ための、トレーニングについて紹介していきます。
SOAP式薬歴の練習方法
S情報は拾えるだけ拾う
S情報は、服薬指導で得られる最も多くの情報です。
患者さんの訴えや、現在の症状など、患者さんから質問を使い分けて、いかに多くの「S情報」を拾うか!!と毎回投薬ごとに心がけましょう。
自然とSOAPを書くときにS情報が豊富に書けるようになるため、あとあと、他の情報を記載する手がかりにもなります。
知った情報はこぼさず書く
薬歴は、「簡潔に、誰が見てもわかりやすく」は原則です。
が、新人薬剤師のころは、まずは拾ったS情報はなるべく書き込むようにしておきましょう。
まず「簡潔」に書く前に、何が大事な情報かがわからない時期だと思います。
「簡潔」に書くことを意識していると、少ない文字数で書くことに気を取られ、大事な情報が抜け落ちてしまうことがあります。
そうなると本末転倒ですね。
他の薬剤師がみて、よくわからない文章になっている可能性もあります。
そのため、まずは患者さんから得たS情報はしっかり書いていきましょう。
また、O情報は、血圧や、検査値、お薬手帳の情報なども、聞ける情報は拾っておいた方が薬歴が書きやすくなります。
A情報についてじっくり考えて書く
「A情報」は、薬剤師としての考え、評価を書くところですね。
つまり、ここの文章を書くのは薬剤師としての力量が問われるところでもあります。
拾ってきた「S情報」「O情報」からいかに評価できるか?
ここはじっくり時間をかけて書きましょう。
そういう店舗に勤めている人ならそういう悩みは多いと思います。
でも、最初の期間はできるだけ考えて書くクセをつけて欲しいです。
あとで、絶対に薬歴書くのが早くなるので!!
そして、「A情報」がしっかり書けている薬歴は、服薬指導をした人が何を言いたいのかがよくわかります。
また、病理知識や、薬に関する知識が欠けていることで、適切な「A情報」を書くことができないことがあります。
「A情報が書きづらい」→自分の知識が少ないということにも気づかされることがあります。
そうなると、自分の勉強の仕方も変わってきますよね?
「A情報」をしっかり書けることで、質の良い薬歴に近づくことができるのです。
日々の業務にちょっとだけ意識して書くようにしましょう。
P情報は服薬指導の簡潔バージョン
P情報は実際に服薬指導で、患者さんにお伝えしたことで大事なことを記載しておきましょう。
また、次回の服薬指導を行う薬剤師に伝えておきたいことを記載しておきましょう。
ここを書いておくことで、次に服薬指導する薬剤師に、的確にバトンタッチすることにつながります。
患者さんのその後のフォローをするという意味で、S情報は大事な情報になってきます。
SOAPを活かした問題解決方法「POS」
POS聞いたことありますか?
「POS」Problem Oriented Systemの略称で日本語では「問題志向型システム」と言われています。
POS(問題志考型システム)とは、患者さんの健康問題を、合理的、系統的に解決する方法です。
POSを通して出てきた解決策をSOAPを用いて問題解決をすることができるので、「POS」と「SOAP」は相性が良いです。
SOAPの活用法の応用編として、「POS」についてもマスターしておきましょう。
現役薬剤師が語る!薬歴の書き方について。SOAPを見直そう!まとめ
SOAP式薬歴の書き方について紹介していきました。
S,O,A,Pの4つにわけてそれぞれ説明してきましたが、最終的には、すべてが一貫していることが重要です。
S,O,A,Pそれぞれ詳しく書けていても、内容がずれていては意味がありませんからね。
SOAP式薬歴では、すべてが一貫していることを意識して書いていくようにしましょう。
- S情報は拾えるだけ拾う
- 知った情報はこぼさず書く
- A情報についてじっくり考えて書く
- P情報は服薬指導の簡潔バージョン
- SOAP式薬歴はすべてを通して内容が一貫していること
普段から毎日書く薬歴、当たり前のようにしている業務を自分の納得のいく形で仕上げる。
普段の仕事の質をあげることに繋がっていくと思います。
ポンマガジンは薬剤師、薬学生に夢をとどけたい!!
ではでは♪