薬剤師のポン
薬剤師のポン
こんにちは。ブロガーのポン(@ponnenmaru6)です。

はじめに

 4月から薬剤師として働く皆さん、準備は進んでいますか?

(国試勉強中の皆さんは、合格後の自分をイメージして、息抜きに読んでくださいね!)

期待と同じくらい、「仕事についていけるか」「先輩は怖くないか」と不安も大きいと思います。

私は現在、薬剤師歴13年目、複数の店舗を管理するエリアマネージャーをしています。 毎年多くの新人薬剤師を迎えますが、4月の時点で「お、この子は伸びるな」と思う新人には共通点があります。

それは、「道具への準備」と「プロとしての意識」ができていることです。

今回は、私がマネージャー視点で選んだ、入社までに絶対に準備しておくべきアイテムと、なぜそれが必要なのかという理由を解説します。形から入ることは、実はプロとしてとても重要なことです。


【大前提】購入前に必ず確認すべき「会社の規定」

まず、買い物に行く前に一つだけ注意点があります。 必ず「内定先の就業規則(服装規定)」を確認してください。

  • 靴の色は白のみか?黒もOKか?(サンダル禁止の薬局も増えています)

  • 白衣の下に着るインナーの色指定はあるか?

  • 個人のスマホやタブレットの業務利用は許可されているか?

良かれと思って買った高価なものが、会社のルールで使用禁止だと目も当てられません。「規定を確認する」という行為自体が、すでにリスクマネジメント(調剤過誤防止)の第一歩です。分からなければ、遠慮なく人事に問い合わせましょう。


1. 疲れにくい「ナースシューズ(スニーカー)」


【なぜ必要なのか?】疲労は「調剤過誤」の最大の原因だから

学生時代の実習とは違い、勤務開始後は「8時間以上立ちっぱなし」かつ「常に動き回る」毎日が始まります。 足元の疲れは、夕方以降の集中力を奪います。集中力が落ちるとどうなるか?「ピッキングミス」や「監査漏れ」に直結します。

マネージャーの私は、新人の足元を見ています。 デザイン重視のペラペラの靴ではなく、アシックスやニューバランスなど、スポーツメーカーが本気で作ったクッション性の高い靴を選んでください。 それは自分を守るためであり、ひいては患者さんを守るための投資です。

2. ノック式ボールペン & 胸ポケット用メモ帳

【なぜ必要なのか?】「1秒のロス」が薬局全体の遅れになるから

「書ければ何でもいい」は大間違いです。 調剤室は戦場です。キャップを外す手間すら惜しい場面が多々あります。また、インクが乾きにくいペンは、薬歴や薬袋を汚し、書き直しの時間を生みます。

ジェットストリーム等の低粘度油性ボールペン(多色):速記してもかすれず、すぐ乾くもの。


白衣の胸ポケットに入るサイズのメモ帳:指導されたことを「その場で」メモするため。

「後でまとめます」と言ってメモを取らない新人を、現場は信用しません。 「教わったことはその場でメモる」という姿勢を見せるためのツールとして、常に胸ポケットに入れておいてください。


3. 実務用電卓(サイレントキー機能付き)


【なぜ必要なのか?】「計算への自信」が監査の砦になるから

「スマホの電卓でいいや」と思っていませんか? 多くの薬局で、監査台でのスマホ使用は「遊んでいるように見える」等の理由で推奨されません(セキュリティ規定によります)。

カシオやシャープの「経理実務用」の電卓を用意してください。 ポイントは「サイレントキー(打鍵音が静か)」であること。 静かな調剤室で「カチャカチャ!」と大きな音を立てて計算するのは、患者さんにも先輩にもストレスを与えます。ブラインドタッチができるくらいの大きさがあれば、散剤や水剤の計算スピードが格段に上がり、検算の精度も高まります。

4. キャップレス印鑑(訂正印付きツインタイプ)


【なぜ必要なのか?】押印は「責任の所在」を明確にする行為だから

DX化が進んでいても、調剤録や麻薬帳簿など、物理的な押印が必要な場面はまだあります。 キャップを外して、置いて、押して、キャップを閉める…この動作を1日何十回も繰り返すのは無駄です。

キャップレス(ワンタッチ式)で、かつ訂正印がついているツインタイプが最強です。 新人のうちは、悲しいかな書類の書き損じも多いもの。すぐに訂正印が押せる準備をしておくことは、自分のミスを素直に認め、修正する姿勢の表れでもあります。

5. 自分専用の「アンチョコ(業務マニュアル)」

【なぜ必要なのか?】「調べる時間」を短縮し、先輩の手を止めないため

これが一番重要かもしれません。 現場に出ると、教科書を開いている時間はありません。

  • 粉砕・一包化 NGリスト
  • 小児用量(体重別)早見表
  • ステロイドのランク一覧
  • 軟膏の混合可否表

これらをまとめた、自分だけの「アンチョコ(虎の巻)」をポケットに忍ばせておいてください。 先輩に質問するのは良いことですが、「調べれば30秒で分かること」を毎回聞くと、先輩の業務を止めてしまいます。

「まずは自分のアンチョコで調べる、載っていなければ聞く」 このサイクルができる新人は、成長スピードが段違いです。

※(ブログの読者向けに) 「自分で作るのは大変…」という方向けに、私が現場で使用している「粉砕NGリスト」や「小児用量リスト」のデータも公開していますので、準備が間に合わない方はぜひ活用してください。


おわりに

準備物は単なる「モノ」ではありません。 「私はプロとして、ミスなく効率よく働きます」という意思表示です。

4月の初出勤日、ピカピカの道具を装備して、「準備万端です!」という顔で現れるあなたに会えることを、現場の先輩たちは楽しみに待っていますよ。

残りの学生生活、悔いのないように楽しんで、4月から一緒に頑張りましょう!

ABOUT ME
薬剤師のポン
薬局薬剤師13年目。 薬学部卒業後、大手チェーン薬局に就職。大病院の門前薬局の前で働き、あらゆる科の調剤を担当する。一通りの仕事がわかってきてから、「自分の地元だったらもっといい仕事ができる」と考え、自分の地元で働きたいと強く願うようになり、地元の調剤薬局に転職。現在は地域密着薬剤師として地元の中小薬局で勤務中。