電子処方箋って聞いたことありますか?
今日はこれから導入されていくであろう電子処方箋について、現役薬剤師であるポンが解説していきたいと思います。
読んでね♪
電子処方箋とは?
今病院に行けば、紙の処方箋が発行されます。
これを近くの薬局に持っていくと薬が処方されますね。
これは従来通りなのですが、これが電子処方箋になる時代がやってこようとしています。
これまで紙で運用されていた処方箋を電子的に管理する仕組みとなります。
今まで通り紙でもらうのではなく、病院で診察後、紙の処方箋をもらわずに薬局に行き、本人確認をすることで電子処方箋を通して調剤をすることができるようになるそうです。
前から導入予定だったのですが、新型コロナウイルスの関係により、プランが早まりました。
現在のところ、電子処方箋は2022年の夏をめどに運用を開始する予定と報告されています。
この1年半ほどで、オンライン資格システムや、法制上の問題を解決していくこととなります。
では、電子処方箋になると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
電子処方箋導入のメリット
医療機関と薬局の情報共有が今まで以上にできる
オンラインを通して、患者情報と薬の情報を共有できるようになれば、既に病院でお話していた患者さん本人のアレルギー情報などもすぐわかるようになります。
今まで病院で問診を聞き、薬局でも問診を聞きなど、二度手間なことをしてもらってましたが、そういう必要がなくなってくるかもしれません。
医療機関通しの情報共有で、薬局からの疑義照会情報や、GE変更の事も今まで以上にスムーズになることでしょう。
遠隔診療時の処方箋の受け渡しが簡易化される
とくに最近は新型コロナウイルスの影響で、0410対応(コロナ対応)という(病院にもよりますが)FAXで処方箋を送ってもらい、後に原本郵送などの、特例措置があります。
しかし、処方箋が電子化されることで、処方箋の原本を直接オンラインで受け取ることができるため、オンライン診療でメリットを発揮できることが考えられます。
処方箋の偽造防止につながる
今まで通りの紙の処方箋は、コピー防止や、偽造防止のため、処方箋に様々な工夫がされています。
それでも偽造処方箋は後を絶ちません。オンラインで処方箋が受け取れるなら、そういう心配も少なくなりますね。
紙の処方箋でかかっていたコストが削減される
今まで紙の処方箋を発行していた各医療機関は、紙の処方箋の印刷にかかっていた「コストの削減」につながります。
交付した日から4日以内の縛りの緩和につながる
知っていますか?今のところ処方箋は交付してから4日以内に薬局に出さないと、『処方箋の期限切れ』ということになり、処方することができなくなってしまします。
現状ルールの線引きがまだわからないですが、そういったうっかり期限切れ処方箋を出してしまう心配も少なくなるかもしれませんね。
これからの課題は?
医療関係者の負担の増加
医療機関も、薬局も、 導入してしばらくは紙処方箋と電子処方箋が混ざることも予測されます。
そのため、電子処方箋の取り扱いと、従来通りの処方箋の取り扱いについての業務の負担が増加してしまうことが予想されます。
一定の費用負担
もちろん電子処方箋を取り扱うとなれば、従来の機器で対応できるものではなくなってくるので、ある程度の機器導入のためお金が必要になってしまいます。
全ての医療機関がそれに対応できるのかどうかはこれからの課題になってしまいますね。
どれだけの患者さんがすぐに理解できるか?
もともと院内処方がメインの時代から院外処方がメインの時代へ。
これに移行するだけでも様々な患者さんの理解を得るのが大変でした。今でも外来の患者さんで処方箋を出すのを知らない方も見かけます。
そんな中で、電子処方箋??「何それ?」て言われることは珍しくないでしょう。
電子処方箋とは? 現役薬剤師が語る!! まとめ
いかがだったでしょうか?
電子処方箋のメリット、これからの課題について書いてみました。
- 医療機関と薬局の情報共有が今まで以上にできる
- 遠隔診療時の処方箋の受け渡しが簡易化される
- 処方箋の偽造防止につながる
- 紙の処方箋でかかっていたコストが削減される
- 交付した日から4日以内の縛りの緩和につながる
紙の処方箋から電子処方箋に変わることは、大きなシステムの変化だと思っています。
この時代の変化を柔軟にとらえて、薬局にとって大きなプラスに変えていけるかどうかは、薬剤師の手腕次第ですね。
完全に電子処方箋になるまで、スムーズに移行できるように患者さんに納得してもらえるよう運用方法をおさえておきましょう。
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