【年収600万の壁】本当?13年目管理薬剤師が給与明細と昇給の現実を公開
「薬剤師になれば一生安泰、高給取りになれる」
学生時代、そんな言葉を信じて薬学部に入ったものの、実際に働き始めて「あれ?思ったほど給料が増えない…」とモヤモヤしている方は多いのではないでしょうか。
こんにちは!薬剤師歴13年、現在はエリアマネージャー兼 管理薬剤師として働いている「薬剤師ブロガー」です。
今の職場や年収に満足していますか? 特に、「年収600万」という数字。
これが見えてきたあたりで、ピタリと昇給が止まってしまう感覚を持っている中堅薬剤師の方は非常に多いです。
この記事では、薬剤師 年収における「600万の壁」の正体と、私の13年間の給与明細に基づくリアルな昇給事情を包み隠さず公開します。
この記事を読むメリット
-
管理薬剤師 給料のリアルな上限と、その理由がわかる。
-
額面と手取りのギャップなど、先輩の「懐事情」を知ることができる。
-
「このまま働き続けていいのか?」という迷いに対する答えが見つかる。
一般論ではなく、現場で汗をかいてきた私の「実体験」です。将来のお金に不安がある方は、ぜひ自分の給与明細を片手に読み進めてください。
【結論】薬剤師の「年収600万の壁」は実在するのか?
結論から言います。 残念ながら、一般的な薬局薬剤師にとって「年収600万の壁」は実在します。
もちろん、初任給が高いドラッグストアや、極端な地方の薬局(へき地医療など)に行けば、20代で600万円を超えることは難しくありません。
しかし、都市部の中小〜大手調剤薬局で、平社員〜管理薬剤師として働いている場合、このラインで頭打ちになるケースが圧倒的に多いのです。
なぜ「600万」で止まるのか?
理由はシンプルで、薬局ビジネスの構造上の問題です。
-
調剤報酬(売上)の上限が決まっている 薬局の利益は国が定める「調剤報酬」に依存しています。どれだけ優秀な薬剤師でも、処方箋1枚あたりの点数を無限に増やせるわけではありません。
-
人件費率の限界 一般的に、薬剤師1人が稼ぎ出せる技術料(粗利)の限界は年間2,000万円〜3,000万円程度と言われています。経営視点で見ると、人件費(社会保険料含む会社負担分)に回せるのはその40〜50%が限界。となると、個人の年収としては600万円前後が妥当なラインになってしまうのです。
-
役職の少なさ 薬局には「管理薬剤師」以上のポストが少ないのが現実です。店長(管薬)の上はいきなり社長、という中小薬局も珍しくありません。
ここに注意! 「長く勤めれば勝手に上がる」は幻想です。定期昇給が月3,000円だとして、10年でようやく月3万円アップ。これでは「壁」を超える前に定年が来てしまいます。
しかし、これはあくまで「普通に働いていたら」の話。
この壁を突破している薬剤師も確実に存在します。
その違いについては記事の後半で解説しますが、まずはその前に、私がどうやって給料を上げてきたのか、恥ずかしながらリアルな推移をお見せします。
【本音公開】13年目・管理薬剤師のリアルな昇給推移
「ベテランなら結構もらってるんでしょ?」 と言われることもありますが、ここに至るまでは決して順風満帆ではありませんでした。
私が新卒で入社してから現在に至るまでの、年収推移のイメージは以下の通りです。 (※特定を避けるため一部数字は丸めています。)
私の年収推移グラフ(概算)
24歳(新卒1年目):年収 約400万円
- 全国規模の大手調剤薬局チェーンに入社。
- 研修制度は充実していましたが、基本給は業界水準通り。
- 「全国転勤あり」のコースでしたが、将来のライフプランと会社の歯車感に悩み始めた時期です。
25歳(2年目):年収 約420万円
- 早々に転職を決意し、現在の地域密着型の中小薬局チェーンへ。
- 大手とは違う「現場の裁量権」に魅力を感じて入社しました。
- 給料自体はスライド(ほぼ横ばい)スタートでしたが、ここからキャリアが動き出します。
29歳(5年目):年収 約550万円
- 転職先での働きが認められ、管理薬剤師に抜擢。
- 「役職手当」がつき、年収が一気にアップしました。
- しかし、責任の重さと業務量に対して「あれ、意外と手取りが増えてない?」と最初に違和感を覚えたのもこの時期です。
32歳(8年目):年収 約600万円
- 実務経験を積み、かかりつけ薬剤師の算定なども積極的に獲得。
- 年収は600万円台に乗りましたが、ここからが長かったです。まさに「600万の壁」に直面し、数年間は昇給がほぼ横ばいの状態が続きました。
36歳(12年目):年収 約680万円
- ずっと現場を守ってきましたが、ついにエリアマネージャーに就任。
- 複数店舗の統括業務が加わり、手当が増額されました。
37歳(現在13年目):年収 約700万円
- エリアマネージャーとしての評価が定着し、さらに執筆活動や講演などの副業収入も少しプラスされています。
「管理薬剤師」になった時の昇給と現実
私が5年目という比較的早い段階で管理薬剤師になった時、月額で約3万円〜5万円の手当がつきました。年収ベースで言えば、ボーナスへの反映も含めて100万円近いアップです。
「やった!これで生活が楽になる!」 そう思ったのも束の間、待っていたのは「給与明細の手取り額」を見た時の衝撃でした。
額面は増えたのに、手取りが増えない怪奇現象
給与明細を見て愕然としました。 額面(総支給額)は増えているのに、手取りが思ったほど増えていないのです。
-
所得税・住民税のランクアップ:累進課税の洗礼を受けました。
-
社会保険料の負担増:給料が上がれば、引かれる保険料も上がります。
-
児童手当等の所得制限:家庭持ちには痛い、公的支援のカット。
例えば、年収600万円の場合、月の額面は約40万円(ボーナス別)程度ですが、そこから税金や保険料で約8〜9万円引かれます。さらに管理薬剤師になると「管理監督者」扱いとされ、残業代が出なくなる(または固定残業代に含まれる)というケースも多々あります。
現場のリアル 「平社員で残業しまくっていた頃の方が、実は手取りが多かったかも…」 管理薬剤師になって最初の1年は、責任の重さと給料のバランスが取れず、本気でそう思いました。
これが、多くの薬剤師がぶつかる「600万の壁」の内側にある、心理的な壁でもあります。 「責任ばかり重くなって、実入りが少ないなら平社員でいいや」と考えてしまう人が多いのも無理はありません。
では、この状況を打破し、年収600万円の壁を超えて、さらに700万、800万とキャリアアップしていくにはどうすれば良いのでしょうか?
ただ会社に居続けるだけでは、この壁は絶対に壊せません。 次章では、私が実践したことも含め、壁を突破するための具体的な「3つのルート」を解説します。
4. 年収600万円の壁を突破する「3つのルート」
「じゃあ、普通の薬局薬剤師は一生600万円止まりなの?」 いいえ、そんなことはありません。13年間、業界を観察し続けてわかった「壁を壊している人」のパターンは、大きく分けて以下の3つです。
ルート1:【出世】エリアマネージャーやブロック長を目指す
これは私が選んだ道でもあります。 店舗の管理薬剤師から、さらに上のレイヤーである「マネージャー職」に上がるルートです。
-
メリット:年収700万〜800万円台、あるいはそれ以上が狙える。
-
デメリット:ポストが空かないとなれない(狭き門)。現場業務に加え、人事管理や経営会議などの負担が激増する。
正直、かなり泥臭いルートです。しかし、会社組織の中で評価されれば、確実に年収は上がります。
「今の会社が好きだけど、給料だけが不満」という場合は、上司に「マネジメントに興味があります」とアピールすることから始めましょう。
ルート2:【環境を変える】戦略的転職
これが最も手っ取り早く、再現性が高い方法です。 特に有効なのが、以下の2つのパターンです。
-
「大手」から「中小」への転職 大手チェーンは福利厚生が整っている反面、給与テーブルがガチガチに決まっており、飛び級での昇給が困難です。一方、地場の中小薬局は「即戦力の管理薬剤師なら年収700万出すよ」という社長の鶴の一声で決まることが多々あります。
-
「都市部」から「少し地方」へずらす 誰もが行きたがる人気の都市部は、給料を上げなくても人が来ます。しかし、そこから電車で30分〜1時間離れるだけで、薬剤師 年収の相場が50万〜100万円跳ね上がることがあります。「ドアtoドアの時間」を変えずに、勤務地エリアをずらすのは賢い戦略です。
とはいえ、どこの転職サイトを使えばいいかわからない」という方は、私の実体験に基づいたおすすめの転職サイトをまとめた記事を参考にしてください。大手から中小まで、特徴別に解説しています。
ルート3:【複線化】副業でプラスアルファを作る
最近増えているのがこの「本業+副業」スタイルです。 本業で安定した600万円を確保しつつ、自分の得意分野でプラス100万円稼ぐイメージです。
-
Webライティング:薬剤師の専門知識を活かして記事を書く(私もやっています!)。
-
講演・講師業:地域の健康イベントや学校薬剤師としての活動を広げる。
-
資産運用:稼いだ給料をNISAやiDeCoで回す(これは必須スキルです)。
このルートの強みは、「会社に依存せずに収入を増やせる」という精神的な余裕が生まれることです。
5. 「稼げる薬剤師」と「稼げない薬剤師」の決定的な違い
壁を超える人と超えられない人。 その差は、スキル以上に「マインド(考え方)」にあります。
決定的な違いは「市場価値」の意識
-
稼げない薬剤師 「毎日処方箋をさばいているんだから、給料を上げてほしい」と考えます。これは「作業の対価」を求めている状態です。
-
稼げる薬剤師 「自分がいることで、薬局にどれだけの利益をもたらしているか」を考えます。
例えば、
-
かかりつけ算定件数を店舗で一番取っている。
-
在宅医療の新規契約を取ってきた。
-
ITツールを活用して業務効率化し、残業代を削減した。
このように、「数字」で会社に貢献できる薬剤師は、今の会社での昇給交渉も、転職時の年収交渉も圧倒的に有利になります。
これからの時代、ただミスなく調剤するだけの業務はいずれAIやロボットに代替されます。 「あなただから任せたい」と言われる対人スキルや、「あなたがいると店が回る」と言われるマネジメント能力こそが、年収の壁を壊す最強の武器になるのです。
6. まとめ:13年目の今だから言えること
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 最後に、13年目の先輩として、あなたに一つだけ伝えたいことがあります。
「年収は、我慢代ではありません。あなたの価値の対価です」
もし、あなたが毎日必死に働いて、患者さんのために勉強もしているのに、「給料が安いから生活が苦しい」「将来が不安だ」と感じているなら、それは環境があなたの価値に合っていない可能性が高いです。
まずは「自分の現在地」を知ることから
今すぐ会社を辞める必要はありません。でも、「自分の市場価値」を知っておくことは、心の安定剤になります。
「もし今、転職市場に出たら自分はいくらになるのか?」
これを把握するために、まずは転職サイトのエージェントと話してみたり、Web上の「年収診断」を試してみたりしてください。 「今の会社より年収が100万高いオファーがある」という事実を知るだけでも、会社との交渉や、今後のキャリアプランがガラリと変わります。
自分の市場価値をサクッと知りたいなら、まずは無料の診断を受けてみるのが一番の近道です。
年収600万の壁は、高そうに見えて、実は適切なハシゴをかければ誰でも乗り越えられる壁です。 まずは今月の給与明細をじっくり眺めて、未来のシミュレーションをすることから始めてみませんか?
あなたの薬剤師キャリアが、より豊かで納得のいくものになることを応援しています!




