働き方

[専門医療機関連携薬局とは?]現役薬剤師が語る!

薬剤師のポン
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こんにちは。ブロガーのポン(@ponnenmaru6)です。

この記事では、2021年8月より、「地域医療連携薬局」とともに始まった、「専門医療機関連携薬局」について、現役薬剤師であるポンが、役割から、認定要件について熱く語っていきたいと思います。

ではいってみましょう。

読んでね♪

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専門医療機関連携薬局とは?

「専門医療機関連携薬局」の概要

専門的な薬学管理が必要な患者さんに対して、他の医療提供施設(病院、患者さんの近くの薬局など)と密な連携を行いつつ、より高度な薬学管理や、高い専門性が求められる特殊な調剤に対応することができる薬局のことです。

一定の要件を満たした薬局が、各都道府県知事から認定されます。

薬剤師のポン
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傷病の区分として現在は「がん」が定められています。

「専門医療機関連携薬局」の認定要件

傷病の区分

「専門医療機関連携薬局」は、厚生労働省が定める傷病の区分ごとに認定され、現在は「がん」が定められています。

また、今後傷病の区分を追加した際は、その区分に対応する基準が定められる予定です。

「専門医療機関連携薬局」の構造設備

服薬指導時に配慮した設備

「専門医療機関連携薬局」では、がんの治療を受けられている患者さんに対して、より安心して相談してもらえる環境の確保が必要です。

会話の内容が漏れないように、プライバシーに配慮した構造設備が必要です。

高齢者、障害者が、安心して利用できる設備

高齢者や、障害者の方が通るところに必要な手すりや、段差がないこと、車いすを利用されている方が円滑に来局できるようなバリアフリーな設備が求められます。

患者さんの薬剤などの使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制

専門的な医療の提供を行う医療機関との間で開催される会議への参加

がん治療を行う医療機関と、連携体制を構築し、患者さんの治療方針の共有や、情報提供の実施が必要です。

そのため、「専門医療機関連携薬局」の薬剤師は、医療機関が開催する会議への継続的な参加が必要です。

専門的な医療の提供を行う医療機関に勤務する薬剤師などに対して、随時報告および連絡ができる体制

「専門医療機関連携薬局」は、がん治療を行う医療機関に勤務する薬剤師や、医療関係者へ必要な情報を随時提供できる体制を整える必要があります。

必要な情報とは??

  • 副作用などの情報
  • 医療機関が示した患者さんの治療方針や服薬情報について

専門的な医療の提供を行う医療機関に勤務する薬剤師などに対して、報告および連絡をした実績

過去1年間のうち、処方箋を受けるがん患者さんの半数以上について、がん治療を行う医療機関への情報共有を行った実績が求められます。

他の薬局に対して報告および連絡できる体制

他の薬局に対して、患者さんの薬剤服用歴、残薬などの服用状況、副作用の発生状況などの情報を提供する必要があります。

他の薬局から患者さんの情報を求められたとき、患者さんお同意を得て、その薬局に情報共有を行わなければなりません。

専門的な薬学的知見に基づく調剤および指導の業務体制

営業時間外の相談に対応する体制

患者さんからの電話相談が、営業時間外にあったとしても、相談を受けられる体制が求められます。

薬剤師のポン
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基本的には対応は「かかりつけ薬剤師」になります。

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休日および夜間の調整応需体制

抗がん剤などの医薬品を、迅速に供給可能であり、また、地域の薬局との連携体制を取れている必要があります。

在庫として保管する医薬品を、必要な場合に他の薬局に提供する体制

他の薬局からの求めに応じて、「がん治療に必要な医薬品」を提供できる体制を整える必要があります。

薬剤師のポン
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抗がん剤以外にも、支持療法で用いられる医薬品も対象です。

麻薬の調剤に対応できる体制

さまざまな麻薬の調剤に対応できる薬局である必要があります。

医療安全対策

医療安全対策への取り組みが求められます。

  • 医薬品の副作用などの報告対応
  • 薬局ヒヤリ・ハット事例収集
  • 分析事業への参加
  • 製造販売業者による市販直後調査への協力
  • 医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)に基づく患者さま向け資料の活用
  • 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が実施している「医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)」などを活用した服薬指導などの対応

継続して1年以上常勤する薬剤師の体制

継続して1年以上常勤(週32時間以上勤務)する薬剤師が患者さんに継続して関わることで、がん治療に関わる専門的な薬学的管理を実施していくことが求められます。

がんに関する専門知識を持つ常勤薬剤師の体制

がん薬物療法全般に関する専門知識を持つ常勤薬剤師を配置する必要があります。

がんに関する専門的な研修の受講

勤務する薬剤師全員が、がんに関する専門的な知識を持ち、服薬指導ができるよう専門的な研修を継続的に受講することが求められます。

地域の他の薬局に対して、がんに関する専門的な研修の実施

「専門医療機関連携薬局」は、がん治療を受ける患者さんの対応を、地域全体の薬局が行うことができるよう、サポートする必要があります。

そのため、がんに対する専門的な研修を、他の薬局に対して実施することが求められています。

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研修では、がんに対する知識だけでなく、がん治療を受ける患者さんとのコミュニケーションの取り方など、患者さんの安心を大事にする研修が求められます。

地域の医療提供施設に対して、がんに関する医薬品の適正使用に関する情報提供

「専門医療機関連携薬局」は地域の他の医療提供施設に対して、がんに関する医薬品の適正使用に関する情報を、過去一年以内に提供している実績が必要です。

がんに関する医薬品の適正使用に関する情報

  • 抗がん剤や支持療法で用いられる医薬品の有効性および安全性の情報や特徴
  • 承認審査で用いられた臨床試験の情報
  • PMDAにおける当該医薬品の審査報告書の情報
  • 医薬品リスク管理計画(RMP)の情報

専門医療機関連携薬局とは?現役薬剤師が語る! まとめ

いかがだったでしょうか?

「専門医療機関連携薬局」の認定要件
  • 傷病の区分
  • 「専門医療機関連携薬局」の構造設備
  • 患者さんの薬剤などの使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制
  • 専門的な薬学的知見に基づく調剤および指導の業務体制

最近では、外来で抗がん剤の治療を受ける機会が増えて、薬剤師にも専門性が高い服薬指導や薬学的管理が求められています。

それぞれの薬局の機能や役割が明確になってくることで、患者さんが、自分の状態に合った薬局に訪れるようになる時代になってきました。

全国で6万件を超える薬局がある中、僕たち薬剤師は、自分の薬局の特徴を見出し、地域に根差した薬局を目指すことが求められます。

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薬剤師のポン
薬局薬剤師9年目。 薬学部卒業後、大手チェーン薬局に就職。大病院の門前薬局の前で働き、あらゆる科の調剤を担当する。一通りの仕事がわかってきてから、「自分の地元だったらもっといい仕事ができる」と考え、自分の地元で働きたいと強く願うようになり、地元の調剤薬局に転職。現在は地域密着薬剤師として地元の中小薬局で勤務中。

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