この記事では認定薬剤師の種類について、現役薬剤師が紹介していきます。
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認定薬剤師とは?
HIV感染症薬物療法認定薬剤師
認定団体:日本病院薬剤師会
HIV治療薬や予防に精通していて、それに対する高度な服薬指導ができる薬剤師になります。
毎年10名ほどの認定者を出していて、認定薬剤師の中でも希少な資格です。
HIVにつかわれる薬は、重大な副作用をもつものも多く、取り扱いや、患者さんのケアに慎重な対応が求められます。
HIV感染者の指導実績を30症例以上経験していないといけないため、実際に多くHIV感染者が来る施設でないと取得するのは難しいでしょう。
また、日本病院薬剤師会が行うHIV感染症薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していることも、条件の1つとなっています。
- 薬剤師として優れた見識を備えていること。
- 薬剤師としての実務経験を5年以上有すること、日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、別に定める団体のいずれかの会員であればこれを満たす。
- 日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会、日本エイズ学会のいずれかの会員であること。
- 日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会認定薬剤師であればこれを満たす。
- 申請時において、病院または診療所もしくは保険薬局に勤務し、HIV感染症患者に対する指導に引き続いて3年以上従事していること(所属長の証明が必要)。
- 日本病院薬剤師会が認定する研修施設(以下「研修施設」という)において、HIV感染症関連の実技研修を16時間以上履修していること。または、研修施設において3年以上、HIV感染症患者に対する指導に従事していること(所属長の証明が必要)。
- 日本病院薬剤師会が認定するHIV感染症領域の講習会、及び別に定める学会が主催するHIV感染症領域の講習会などを所定の単位(10時間、5単位)以上履修していること。
- HIV感染症患者に対する指導実績が30症例以上を満たしていること。
- 病院長あるいは施設長等の推薦があること。
- 日本病院薬剤師会が行うHIV感染症薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。
漢方薬・生薬認定薬剤師
認定団体:公益社団法人 日本薬剤師研修センター
認定取得者は、漢方、生薬に関して高い専門知識を持った薬剤師として認められます。
漢方薬の特性上、患者さんの体質や、病態から、適切な漢方薬を求められるようになります。
漢方専門の薬局を経営していたり、働いている薬剤師は取得している事が多く、アピールする事でより専門性への意識が高まります。
薬用植物園実習を受講しレポートを提出していることという条件が取得条件にあるのが特徴です。
- 公益財団法人日本薬剤師研修センターおよび一般社団法人日本生薬学会により実施される「漢方薬・生薬研修会」を修了していること。(出席率80%以上必要)。
- 薬用植物園実習を受講しレポートを提出していること(受験資格は研修会・実習受講後2年間有効)。
- 上記研修会・実習修了後、試問試験に合格していること。
救急認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本臨床救急医学会
救命救急室や、ICU(集中治療室)で働く薬剤師が必要とされています。
「救急認定薬剤師」は、救急医療に特化した薬剤師を養成するために創設された認定薬剤師制度です。
救急車で病院に運ばれてきた人や、容体が急変した方への適切な処置が求められます。
また、「災害医療」の現場でも役に立つ資格と言えるでしょう。
- 薬剤師免許を持ち、薬剤師として優れた人格であり、救急医療における薬物療法に関する見識を備えていること。
- 申請時において、薬剤師としての病院・診療所に5年以上勤務し、そのうち2年以上救急医療に従事していること。
- 申請時において、日本臨床救急医学会の正会員であり会員歴が2年以上あり、会費を完納していること。
- 日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、日本医療薬学会認定薬剤師、薬剤師認定制度認証機構により認証された認定薬剤師、あるいは日本臨床薬理学会認定薬剤師の資格を有していること。
- 医療機関において、救急医療に関する業務を通じて患者の治療に自ら参加した25例以上の症例を報告できること。
- 救急認定薬剤師認定委員会が指定し、理事会の承認を得た学術集会、研究発表などにおいて、50単位以上を履修していること。
- 救急認定薬剤師認定委員会が開催する講習会を受講していること。
- 日本臨床救急医学会評議員または所属施設長の推薦があること。
抗菌化学療法認定薬剤師
認定団体:公益社団法人 日本化学療法学会
「抗菌化学療法認定薬剤師」の資格は、抗菌化学療法に専門性を特化した薬剤師を育成するために創設された、認定薬剤師制度です。
抗菌化学療法認定薬剤師は、チーム医療でも重要なポジションを担うことになります。
病院で、ICTの一員になれば、薬物血中濃度モニタリング(TDM)のデータによる医師の抗菌薬投与設計への助言のみにとどまらず、専門家としての提案・実施を推進するためのスキルが求められます。
院内のアウトブレイクの対応など、菌やウイルスによる緊急時の対応に、頼りにされる薬剤師といえます。
- 日本国内における薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格及び抗菌化学療法の見識を備えていること。
- 申請時に、薬剤師として抗菌化学療法に5年以上かかわっていることを示す所属する施設長又は感染対策委員長の証明が得られること。
- 申請時において、公益社団法人日本化学療法学会の正会員であること。
- 医療機関において、薬剤管理指導・TDM(治療薬物モニタリング)・DI(医薬品情報)などの業務を通じて感染症患者の治療(処方設計支援を含む)に自ら参加した15例以上の症例を報告できること
- 公益社団法人日本化学療法学会の抗菌薬適正使用生涯教育セミナー・認定委員会の指定する研修プログラムなどにおいて、規定の単位数を取得していること。
腎臓病薬物療法認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
腎臓病における、薬物適正使用に関する知識と技術があると認められた薬剤師に認定される資格です。
多くの薬は、腎臓を通して代謝されます。
そのため、腎機能によってお薬の用量が決まることが多いため、「腎臓病薬物療法認定薬剤師」の専門性は重宝されます。
慢性腎臓病(CKD)の患者はもちろん、腎臓が未発達の未熟児など、幅広い薬物療法に携わることができるでしょう。
取得条件に、学会発表があるため、腎臓疾患に関わりのある病院や、透析治療の薬がよくでる薬局に勤めている必要があります。
- 薬剤師免許を有し、薬剤師としての優れた人格および識見を備えていること。
- 薬剤師歴が5年以上、申請時において3年以上日本腎臓病薬物療法学会会員であること。薬剤師歴は医療機関での常勤並み勤務の通算とする。また、直近2年間は常勤並みの継続勤務を必要とする。
- 日本医療薬学会認定薬剤師、日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師(5年以上)、日本薬剤師会生涯学習支援システム(JPALS)レベル5以上、薬剤師認定制度認証機構により認証された認定制度による認定薬剤師のいずれかであること。
- 日本腎臓病薬物療法学会が示す単位基準の修得単位が、申請年の直近3年間で12単位以上あること。
- 日本腎臓病薬物療法学会(日本腎と薬剤研究会も含む)、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本医療薬学会、日本薬剤師会学術大会などの全国レベルの学会や関連する国際学会において、腎臓病薬物療法に関する学会発表を申請年の直近10年間で3回以上していること(少なくとも1回は筆頭発表者)。
- 直近5年間の30自験例を提出すること。
- 認定試験を受け合格すること。
日病薬認定指導薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本病院薬剤師会
「日病薬認定指導薬剤師」は、一般社団法人日本病院薬剤師会による、病院で実務実習を受ける薬学生の指導を担う「認定実務実習指導薬剤師」のサポートを行うための資格です。
主に、病院における薬学生の長期実習のための、教育方法を学ぶことができます。
また、指導内容には、調剤、投薬はもちろん、地域貢献や、公衆衛生などの「倫理観」に関することも含まれます。
- 日本病院薬剤師会の会員であること。
- 薬剤師としての実務経験が5年以上あること。
- 病院における実務経験が申請時点において継続して3年以上であること。
- 下記のいずれかの資格を取得していること。
・日本病院薬剤師会生涯研修認定薬剤師
・薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師
・日本医療薬学会認定薬剤師 - (財)日本薬剤師研修センター主(共)催による次の認定実務実習指導薬剤師養成講習会(集合講習会、ビデオ集合講習会、CS-TV講習会)を受講していること。勤務状況によっては受講する講習の免除が行われることもあります。
妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本病院薬剤師会
「妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師」は、一般社団法人「日本病院薬剤師会」によって認定される資格の一つです。
また、妊婦や授乳婦に対する薬のデータは日本国内にはほとんどありません。
ところが日本でしか発売されていない薬もあるので、薬剤師は専門性を持って自らもデータを創出するための研究をしなければなりません。
妊婦の方に、信頼関係に基づいた薬物療法を提供する必要があります。
産婦人科や、小児科のある病院や、小児科の門前薬局で活躍が期待される認定薬剤師制度です。
- 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。
- 薬剤師としての実務経験を3年以上有し、日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、別に定める団体のいずれかの会員であればこれを満たす。
- 日本医療薬学会、日本女性薬剤師会のいずれかの会員であること。
- 日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。
- 申請時において、病院または診療所に勤務し、妊婦・授乳婦の薬剤指導に3年以上、かつ、申請時に引き続いて1年以上従事していること(所属長の証明が必要)。
- 日本病院薬剤師会が認定する研修施設(以下「研修施設」という。)において、「模擬妊婦・模擬授乳婦とのロールプレイ」を含めたカウンセリング技術等や、情報評価スキルの確認トレーニング等の実技研修を40時間以上履修していること、または研修施設において3年以上、妊婦・授乳婦の薬剤指導に従事していること(所属長の証明が必要)。
- 日本病院薬剤師会が認定する妊婦・授乳婦領域の講習会、及び別に定める学会が主催する妊婦・授乳婦領域の講習会などを所定の単位(20時間、10単位)以上履修していること。ただし、日本病院薬剤師会主催の妊婦・授乳婦に関する講習会を1回以上受講していること。
- 妊婦・授乳婦の薬剤指導実績が15症例以上(複数の疾患)を満たしていること。
- 病院長あるいは施設長等の推薦があること。
- 日本病院薬剤師会が行う妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。
外来がん治療認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本臨床腫瘍薬学会
外来がん治療を安全に施工するための知識・技能を習得し、地域がん医療において、患者とその家族をトータルサポートできる薬剤師です。
薬局でも、病院でも比較的とりやすい認定薬剤師制度です。
薬局では、抗がん剤治療中の患者さんへの薬物療法プランに基づいた指導を行うとともに、病院へ情報をフィードバックすることも求められます。
- 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること
- 3年以上、薬剤師としての実務の経験があること
- 日本臨床腫瘍薬学会の正会員であって、申請の時点で会費が未納でないこと
- 日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、日本医療薬学会認定薬剤師、日本薬剤師会生涯学習支援システム「JPALS」クリニカルラダーレベル5のいずれかの認定を取得していること
- 日本臨床腫瘍薬学会が認定するがん領域の講習、または研修を60単位以上履修していること
- 外来のがん患者のサポート事例を10例提出すること
- 日本臨床腫瘍薬学会が実施する外来がん治療認定薬剤師認定試験に合格すること
- 所属施設長の同意があること。
がん薬物療法認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本病院薬剤師会
「がん薬物療法認定薬剤師」は、薬物の専門家としてチームに参加し、医師や他スタッフへの助言・提案を行い、最適な薬物療法が行われるようにつとめるのが主な業務です。
がん治療は、病院ではチーム医療で、多職種の連携が求められます。
その場で、「がん薬物療法認定薬剤師」の知識が必要とされることは多いでしょう。
がんの治療だけではなく、患者さんの家族に対しても指導を行い、アドヒアランスの向上を図るのも大切な役目です。
- 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。
- 薬剤師としての実務経験を5年以上有し、日本病院薬剤師会もしくは日本薬剤師会、日本女性薬剤師会の会員であること。
- 日本医療薬学会、日本薬学会、日本癌治療学会ほか既定のいずれかの会員であること。
- 日病薬病院薬学認定薬剤師または日本医療薬学会認定薬剤師であること。
- 申請時において、病院または診療所に勤務し、がん薬物療法に引き続いて3年以上従事していること(所属長の証明が必要)。
- 日本病院薬剤師会が認定する研修施設において、日本病院薬剤師会の規定に基づく実技研修を3カ月以上履修していること、または、研修施設において3年以上、がん薬物療法に従事していること(所属長の証明が必要)。
- 日本病院薬剤師会が認定するがん領域の講習会、及び規定の学会が主催するがん領域の講習会などを所定の単位(40時間、20単位以上)履修していること。ただし、40時間のうち日本病院薬剤師会主催のがん専門薬剤師に関する講習会12時間、6単位以上を取得すること。
- がん患者への薬剤管理指導の実績50症例以上 (複数の癌種)を満たしていること。
- 病院長あるいは施設長等の推薦があること。
- 日本病院薬剤師会が行うがん薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。
研修認定薬剤師
認定団体:公益社団法人 日本薬剤師研修センター
自己研鑽により「薬剤師にふさわしい資質の維持のための努力をしている」として公益財団法人日本薬剤師研修センターが認定する資格です。
研修認定薬剤師は、主に、「かかりつけ薬剤師」としての活躍が求められます。
「かかりつけ薬剤師」として、患者さんに一歩踏み込んだ、質の高い投薬が求められます。
患者さんをより深く知ることで、個々に寄り添った最適なサポートが可能になります。
- 初めて申請する場合、4年以内に40単位以上(最長4年以内、各年5単位以上)を取得すること
- 各年5単位以上取得しなければならないこと。1単位でも足りないと認定されず最初から取得し直しになってしまう
在宅療養支援認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本在宅薬学会
「在宅療養支援認定薬剤師」とは、在宅医療に精通する薬剤師を認定する、認定薬剤師制度です。
在宅医療は、医師、看護師など、様々職種との、多職種連携で行う仕事のため、医療従事者・介護従事者との密な情報交換が必要になってきます。
その中で、「在宅療養支援認定薬剤師」は、居宅や、施設において、患者さんの適切な薬物療法を提供することが求められます。
「在宅医療」の需要はどんどん高まってきているため、「在宅療養支援認定薬剤師」のスキルは、これからも必要とされる資格となるでしょう。
- 日本国の薬剤師資格を有し、3年以上の薬剤師実務経験があること。
- 薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、日本病院薬剤師会生涯研修認定薬剤師、日本医療薬学会認定薬剤師のうち、いずれかの資格を有していること。
- 所定の研修講座受講により40単位以上の研修単位を取得していること。
- 日本在宅薬学会主催の学術大会参加証の写しを提示。
- 日本在宅薬学会が実施するバイタルサイン講習会受講の終了証の写しの提示。
- 日本在宅薬学会が実施する試験に合格していること。
精神科薬物療法認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本病院薬剤師会
「ストレス社会」と言われる現代、メンタル疾患の患者も増えています。
そのような患者さんへの正しい薬の治療の知識と、社会復帰の手助けができるスキルをもつ薬剤師が、「精神科薬物療法認定薬剤師」として認められます。
他の疾患と違い、「メンタル面」でのケアが必要なため、患者さんの中には、近くの病院や薬局でみてもらいたくないという方もいらっしゃいます。
そういった方のケアができる薬剤師としても、スキルを発揮できる資格といっていいでしょう。
- 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。
- 薬剤師としての実務経験を5年以上有し、日本病院薬剤師会の会員であるか、別に定める団体のいずれかの会員であること。
- 日病薬病院薬学認定薬剤師であるか、日本医療薬学会認定薬剤師であること。
- 申請時において、精神科を標榜する病院または診療所もしくは精神科の処方せんを応需している保険薬局に勤務し、精神科薬物療法に引き続いて5年以上直接従事していること(所属長の証明が必要)。
- 日本病院薬剤師会が認定する精神科領域の講習会、及び別に定める学会及び団体が主催する精神科領域の講習会などを所定の単位(40時間、20単位)以上履修していること。ただし、日本病院薬剤師会主催の精神科に関する講習会を1回以上受講していること。
- 精神疾患患者に対する指導実績が30症例以上(複数の精神疾患)を満たしていること。
- 病院長あるいは施設長等の推薦があること。
- 日本病院薬剤師会が行う精神科薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。
日病薬病院薬学認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本病院薬剤師会
仕事内容は多岐にわたり、病院での薬剤に関することすべてに関わることになります。
この認定薬剤師の資格をもつことで、認定制度による厳しい研修をクリアし、高度な技量を身に着けていると認められるため、若手の教育に関わることもあります。
- 日本病院薬剤師会正会員又は特別会員(保険薬局勤務・大学教員等の薬剤師)であること
- 申請年度を含め過去3年度を通算して日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムを50単位以上を取得していること、かつ、下記①~③のすべてを満たすこと
- ①日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムのうち、下記の項目 の単位数を取得していること
Ⅰ(医療倫理と法令を順守する)の1~3の各項目のうち1項目以上履修し、合計2単位以上取得すること
Ⅱ (基本的業務の向上を図る) の1~6の各項目のうち2項目以上履修し、合計4単位以上取得すること
Ⅲ(チーム医療を実践する)の1~2の各項目を履修し、合計4単位以上取得すること
Ⅳ(医療安全を推進する)の1~2の各項目を履修し、合計4単位以上取得すること
Ⅴ(ファーマシューティカルケアを実践する)の1~3の各項目を履修し、合計6単位以上取得すること - ②薬剤師認定制度認証機構が認める他の生涯研修プロバイダーが付与する単位は通算10単位まで有効とする
- ③毎年度(4月1日から翌年3月31日まで)最低でも10単位取得していること
- 認定試験に合格すること
認定実務実習指導薬剤師
認定団体:公益社団法人 日本薬剤師研修センター(JPEC)
6年制薬学教育制度下における病院実習や薬局実習において、学生を指導することが主な業務です。
薬局や病院で「薬学部の実習生」を指導するために必要な資格です。
この資格を有することで、「実習生への指導ができる人」とみなされるため、実習中の学生への、外来業務、在宅、または、地域貢献や公衆衛生など、幅広い教育をすることができます。
座学とワークショップを受けなければとれない資格のため、時間はかかりますが、持っていることでできることが広がる資格になります。
- 十分な実務経験を有し薬剤師としての本来の業務を日常的に行っていること。
- 薬剤師を志す学生に対する実習指導に情熱を持っていること。
- 常日頃から職能の向上に努めていること。
- 実習の成果について適正な評価ができること。
- 認定取得後も継続的かつ日常的に薬剤師実務に従事する見込みがあること。
- 実務実習生の受入期間中、恒常的に指導することができること。
- 以下の認定実務実習指導薬剤師養成研修の受講資格を満たしていること。①実務経験薬剤師実務経験(病院又は薬局におけるもので、勤務時間数が1週間当たり3日以上かつ20時間以上の場合に限る。以下同じ。)が5年以上あること。
※なお、6年制の薬学教育を受けて薬剤師となった者は、薬剤師実務経験が3年以上あれば、認定実務実習指導薬剤師養成研修を前もって受講することができます。ただし、認定実務実習指導薬剤師の認定申請は、薬剤師実務経験が5年以上となってからでなければ行うことができません。②勤務状況薬剤師実務経験が、受講しようとする時点において継続して3年以上であること、かつ、現に病院又は薬局に勤務(勤務時間数が1週間当たり3日以上かつ20時間以上の場合に限る)している者であること。
感染制御認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本病院薬剤師会
感染防止および感染制御の対策は、医療機関にとって必須の項目です。
これらの感染を予防するための対策を担う資格として注目されているのが、「感染制御認定薬剤師」です。
患者さんの感染症治療を支援し、薬学的管理ができることはもちろん、感染制御に必要な消毒薬、微生物、耐性菌などに関する基礎知識を十分に理解していることが求められます。
個々の症状や状況に合った薬物療法や感染対策を、医師や看護師などの他職種に提案することもあります。
- 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること
- 薬剤師としての実務経験を5年以上有し、日本病院薬剤師会、日本薬剤師会、日本女性薬剤師会のいずれかの会員であればこれを満たす。
- 日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会、日本TDM学会、ICD制度協議会に加盟している学会・研究会のいずれかの会員であること。
- 日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会認定薬剤師であればこれを満たします。平成33年度までに認定申請するものにあっては従前の認定申請資格(日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、薬剤士認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度、日本臨床薬理学会認定薬剤師)で差し支えありません。
- 申請時において、引き続いて3年以上、施設内の感染対策委員会または院内感染対策チームの一員(院内感染対策チームと連携しての活動を含む)として感染制御活動に従事していること(病院長あるいは施設長等の証明が必要)。
- 施設内において、感染制御に貢献した業務内容及び薬剤師としての薬学的介入により実施した対策の内容を20例以上報告できること。
- 日本病院薬剤師会が認定する感染制御領域の講習会、及び日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会、日本TDM学会、ICD制度協議会に加盟している学会・研究会が主催する感染制御領域の講習会などを所定の単位(20時間、10単位)以上履修していること。
- 病院長あるいは施設長等の推薦があること。
- 日本病院薬剤師会が行う感染制御認定薬剤師認定試験に合格していること。
緩和薬物療法認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本緩和医療薬学会
緩和薬物療法認定薬剤師は一般社団法人 日本緩和医療薬学会(JPPS)によって認定される薬剤師資格です。
緩和医療は、がんの痛みの緩和などで用いられる、医療用麻薬の適正使用など、薬剤師の専門的知識が求められるようになりました。
がんの痛み以外にも、心不全やCOPD、あるいはALS、脊髄小脳変性症、重症筋無力症、進行性核上性麻痺といった神経難病など、さまざまな患者さんがいらっしゃいます。
そういった患者さんの苦痛症状を取り除くことができる、「緩和薬物療法認定薬剤師」は緩和医療に大きく貢献できるといえます。
- 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。
- 申請時において、薬剤師としての実務歴を5年以上有する日本緩和医療薬学会の会員であること。
- 申請時において、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、あるいは日本医療薬学会認定薬剤師のいずれかであること。
- 申請時において、引き続いて3年以上、緩和ケアチームまたは緩和ケア病棟を有している病院、診療所等のいずれかの施設において緩和ケアに従事している薬剤師であること(所属長の証明が必要)、
あるいは申請時において、引き続いて3年以上、麻薬小売業者免許を取得し、かつ、がん診療を行っている在宅療養支援診療所等の医療機関と連携する保険薬局等に勤務し、緩和ケアに従事していること(依頼する医師および薬局開設者の証明が必要)。 - 過去5年以内に、認定対象となる講習等を所定の単位(計100単位、毎年20単位)以上履修していること。
過去5年以内に、がん疼痛緩和と医療用麻薬の適正使用推進のための講習会(厚生労働省、麻薬・覚せい剤乱用防止センター等主催)に1回以上参加していること。 - 薬剤師として実務に従事している期間中に、本学会年会あるいは別に規定する学術集会において緩和ケア領域に関する学会発表を2回以上(少なくとも1回は発表者)行っていること。
- 病院等に勤務する薬剤師は緩和ケア領域薬剤管理指導の実績について本学会所定の様式に従い30症例以上提示できること。
保険薬局に勤務する薬剤師は緩和ケア領域服薬指導等の実績について本学会所定の様式に従い15症例以上提示できること。 - 所属長(病院長あるいは施設長等)または保険薬局においては開設者の推薦があること。
公認スポーツファーマシスト
認定団体:公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構
「スポーツファーマシスト」とは、最新のアンチ・ドーピングに関する知識を持った薬剤師です。
2009年、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)により、「公認スポーツファーマシスト認定制度」が発足しました。
「ドーピング」は、スポーツ競技において、選手生命に関わるほど重大なルール違反です。
本人が知らずに、禁止成分の入った市販薬などを服用した、「うっかりドーピング」も話題になることがあります。
「健康」と「薬の使用法」に悩むスポーツ選手の相談役として、薬剤師の活躍が期待されます。
医薬品の適正使用とアンチ・ドーピングに関する情報提供を行うことで、ドーピングを未然に防ぐことが、スポーツファーマシストの主な仕事内容です。
もともと趣味や、学生時代にスポーツ競技で有名な大会に出た薬剤師の方も多いと思います。
そんな方は、「スポーツに関わった仕事をしたい」と考える人も出てくると思いますので、「公認スポーツファーマシスト」はやりがいを感じる職種であるといえます。
また、「公認スポーツファーマシスト」は、病院や薬局の環境に左右されることなく、比較的取りやすい資格であるといえます。
- 薬剤師の資格を有すること
- 基礎講習会と実務講習を受講すること
- 知識到達度確認試験に合格すること
小児薬物療法認定薬剤師
認定団体:公益財団法人 日本薬剤師研修センター
「小児薬物療法認定薬剤師」とは、小児科領域の医薬品を取り扱う立場から、小児科療法に関わる能力と知識を備え、患者本人だけでなく、その保護者に関しても、適切な助言や行動ができる薬剤師の事をいいます。
小児科の薬物療法は、その小児の体重量や年齢によって、その薬の剤形や投与量を適切に選択しなくてはいけません。
また、子供は「気まぐれ」ですし、言いたい事を上手く伝えられない傾向にもあります。
飲めば治る病気でも、薬を飲んでくれないことは多々あります。
それが、薬を飲むのが不可能なのか、単に飲みたくないだけなのか?など理由がわからないため、悩むことが多いです。
その時に、保護者の方に「どういう飲ませ方をすればいいか」選択肢を多くもっていることも、「小児科薬物療法認定薬剤師」の役割です。
- 保険薬局または病院・診療所での実務経験3年以上、現に保険薬局または病院・診療所に勤務していること。
- 日本薬剤師研修センターと日本小児臨床薬理学会が実施する小児薬物療法研修会を修了していること。
- 小児薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。
- 日本薬剤師研修センターに登録された、小児科病棟において薬剤管理指導業務を実施している病院での1日(原則6時間)の小児関連実務研修を修了していること。なお、実務研修は、当該年の小児薬物療法研修開始以降、認定試験合格年の末日(12 月末日)までに修了していること。
糖尿病薬物療法認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会
「糖尿病薬物療法認定薬剤師」は、一般社団法人日本くすりと糖尿病学会によって認定される専門資格です。
糖尿病の予防・治療においては、インスリン自己注射や自己血糖測定をはじめ、低血糖やシックデイへの対応など、薬剤師によるセルフマネジメントの指導が重要となっています。
「専門分野を追求したい人」「生活習慣病の治療に携わりたい人」には向いている資格と言えるでしょう。
認定団体:一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会
また、「糖尿病薬物療法認定薬剤師」になるためには、まず、「糖尿病薬物療法准認定薬剤師」になる必要があり、その資格から2年経過しているという条件があります。
長期間糖尿病治療に携わることができる病院や糖尿病治療の病院の門前薬局が比較的取りやすい職場になります。
- 日本国の薬剤師免許を有していること。
- 本学会が認定した糖尿病薬物療法准認定薬剤師として2年以上継続して本学会会員であること。
- 本学会が示す習得単位が、受験年の直近2年間で20単位以上あること。
- 直近5年間の自験例を10例有すること。または、糖尿病に関連した原著論文が3報以上(うち1報以上は筆頭者)あること。
- 本学会が開催するアドバンスト編技能研修のすべての種類(過去5年以内)に参加していること。
- 認定試験(筆記試験)に合格すること。
日本医療薬学会認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本医療薬学会
「日本医療薬学会認定薬剤師」は、一般社団法人日本医療薬学会によって認定される認定薬剤師資格です。
業務内容は、一般的な薬剤師とほぼ同じです。
薬剤師として、単純に高いスキルを持っていることを認められる資格といえるでしょう。
薬物療法に関して幅広く高度な知識をもった専門家として、さまざまな現場で活躍できるでしょう。
- 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師としての優れた人格および識見を備えていること。
- 薬剤師免許を取得後5年以上経過しており、また本学会の会員歴が5年度以上継続していること。
- 認定された研修施設において、通算1年以上の医療薬学に関する研修を履修していること。
- 日本医療薬学会が主催する年会あるいは公開シンポジウムに2回以上参加していること。
- 医療薬学に関する全国学会あるいは国際学会での発表が2回以上あり、日本医療薬学会が主催する年会での本人が筆頭発表者となった発表を1回以上含むこと。
- 医療薬学に関する学術論文が2報以上あり、本人が筆頭著者である論文を1報以上含むこと。学術論文は、国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に複数査読制による審査を経て掲載された医療薬学に関する学術論文であること(複数査読を経ていない論文や商業誌の掲載論文は、本条件の対象外)。
- 推薦状1通を提出できること(医療薬学に関する研修を履修した施設の所属部門長または所属施設の所属部門長のいずれかの推薦状1通)。
- 申請書類と共に申請資格を証明する書類を添えて申請し、所定の手続きを経て、学会が定める認定試験(筆記試験)に合格すること。
プライマリ・ケア認定薬剤師
認定団体:一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
「プライマリ・ケア」とは患者さまに寄り添い、総合的なヘルスケアを提供しようという考え方です。
そのため、「プライマリ・ケア認定薬剤師」は多職種連携で、他の医療従事者と、地域を支える立場として活躍できる資格です。
「町にいる身近な相談相手」として、地域住民と密に関わり、患者さんの健康状態を総合的に知った上で、サポートしていく立場になります。
「かかりつけ薬剤師」とも関わりの深い「認定薬剤師」といえます。
- 日本国薬剤師資格を有すること。
- 新規認定申請に必要な修得単位として4年以内に50単位以上を修得すること。
- 上記50単位のうち学会関連の単位が30単位以上必要。
- 薬剤師認定制度の研修のうち、研修受講で20単位、e-ラーニング等は合計15単位を上限として認める。
- 認定試験を受け、書類審査と合わせて合否を判定する。
認定薬剤師の資格をとるためには
ここまで、21種類の、「認定薬剤師の資格」について紹介してきました。
では、「自分のとりたい認定薬剤師」をとるためには、どうすればいいでしょうか?
各説明で挙げたように、病院でないとだめ、薬局でないとだめな資格もあったりします。
自分の今の勤め先がその条件に合っていれば問題ないですが、合っていなければ、そのような条件にあう職場や、支援をしてくれる職場に転職するという方法もあります。
資格支援をしている大手企業を見学する
認定を取得しようと前向きな社員の為に補助手当を出してくれる職場があります。
福利厚生として、資格支援のための手当を出してくれる大手企業もあります。
比較的規模が大きい病院や薬局が、資格支援をしてくれる傾向が強いです。
専門領域のある病院を見学する
こういう病院では、実際に自分がとりたいと思っている認定薬剤師の資格既に持っている薬剤師の方も働いている事が多いです。
見学に行って、積極的に質問するようにしましょう。
ホームページで検索するという手段もありますが、詳しくわからないことも出てくると思います。
自分の目で見るのが確実な方法です。
また、特化した病院は他の診療科がない場合もありますので、自分のやりたいことを明確にしてから考えた方がいいでしょう。
医療薬学会に参加して情報を集める
医療薬学会では、実際にさまざまな認定薬剤師の資格を持った方が発表されているケースが多々あります。
興味がある講演に参加し、積極的に質問して情報を集めるのも有効な手段です。
転職エージェントに相談する
転職サイトに登録して、転職エージェントに、自分が〇〇の認定薬剤師を目指していると相談するのも有効な手段です。
キャリアアップを考えている薬剤師も一定数登録しているので、転職エージェントの方々も、〇〇の認定薬剤師をとるには、どのような会社に勤めるのが有効かを知っている方が多いです。
また、その手の専門のエージェントの方が出てきてくれることもあります。
TwitterやInstagramを活用してみる
実際に自分の取りたい認定薬剤師をもっている方に、TwitterやInstagramで聞いてみるのもいいですね。
DMで返答してくれる方もいらっしゃいますので、情報を得るのは手っ取り早いです。
誰か漢方の認定薬剤師の資格を持っている方はいらっしゃいますか?
インタビューさせてもらいたいです。— ポン@薬剤師ブロガー (@ponnenmaru) August 22, 2021
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アスアス
- 公式LINEが充実
- 求人情報の流し読みはなく、完全相談制
若手の代表の方が経営されています。
SNSや公式LINEでの相談がメインです。
完全相談制ですので、じっくり話し合ったうえで転職することができますね。
また、noteで「薬剤師の資産形成」についてのブログを公開しています。
https://ponmagazine.com/asus-co-ltd/
セルワーク薬剤師
- サポートが手厚い
- 就業時間後でも対応
セルワーク薬剤師は、9万件近い求人を取り扱っており、主に地方の求人情報を多く取り扱っているという特徴があります。
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運営元が日本調剤。調剤薬局の求人数が多いのが特徴。
キャリアアップに力を入れています。
正社員だけでなく、派遣やパートの求人案件も数多く所有しています。
利用した方の「転職満足度」が高いサイトとなっています。
[認定薬剤師を目指す方へ]認定薬剤師制度21種類について紹介 まとめ
いかがだったでしょうか。
認定薬剤師の制度についてまとめてみました。
- 資格を支援している大手企業を見学する
- 専門領域のある病院を見学する
- 医療薬学会に参加して情報を集める
- 転職エージェントに相談する
- TwitterやInstagramを活用してみる
ポンマガジンは、薬剤師の生き方を追求するブログです。
薬剤師、薬学生に夢をとどけたい!!
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